タラス州に拠点を置く理由
キルギス共和国のタラス州に労働機関カウハルの事務局と提携日本語学校があります。語学学校と同じ場所で、日本語を勉強する環境を重視しました。
- 日本語学校と事務所がほぼ同じ場所であること
- 日本語学習に集中できる環境
- 首都ビシュケクから遠くない場所
- 災害や人災に強い場所
日本語学校と事務所が同じ場所
学校関係者だけでなくスタッフも特定技能、技能実習の候補生と接触して感触を掴む必要があります。事務所を別にすることも可能ですが、それでは特定技能予定者や技能実習生が日々学ぶ速度や学習の深さ、生活習慣で気づくことは日本語教師のみになります。現場の日本語教師からの報告だけで実態を掴む事は難しいと考えています。人を育てる仕事でもある以上は、常に学生と接しておくことが大事です。スタッフとコミュニケーションを取っておけば、日本での滞在時にスムーズに連絡を取り合うことができます。
日本語学習に適した環境
技能実習生を募集して合格を出す場合は、農業なら農業従事者、畜産業なら畜産業の従事者になります。また工場などで労働している場合も都市の中心に居住している人は少ないはずです。ビシュケクに学校があれば、どうしても遊びの誘惑に駆られてしまいます。特に田舎から出てきた若者が都会に出てしまうと、誘惑に駆られるのは仕方がないことです。そこからお金が必要になって学生間の金銭問題や学習に集中できないなど、諸問題の発生に繋がります。
もちろん、連休などを利用して学生がどこへ行こうが我々は干渉できません。それは個人の自由です。学習に適した環境を提供する方が、より低コストで自発性を発揮できるはずです。送り出し機関としてキルギスの人たちに嫌われてしまうと、それだけで技能実習生を募集しても集まらなくなります。長い目で見れば、協定を結んで頂いた受入れ組合様や企業様にご迷惑をお掛けする結果になります。
首都ビシュケクから遠くない場所
日本から視察に来られる受入れ組合や企業様が、空港から余りに遠い場所は無理があります。送り出し機関として、省庁に書類提出など首都から遠く離れていると、これも非常に不便です。首都から丁度よい距離がタラスです。
災害、人災に強い場所
キルギスは雨が少ない地域です。干ばつになっても十分な水の確保ができる場所がタラス川が流れるタラス州になります。そして渓谷となっているので作物が収穫も確実で、その点でも安心です。首都のビシュケクとカザフスタンの2方向から物流の流れがあるので、災害時のリスク分散ができます。年々増加傾向にある異常気象、温暖化などを考慮すれば二重三重で安全を確保するべきだと考えた結果です。
キルギスと良好な関係が続いているカザフスタンと国境が近く、政変や何か重大事件が起こってもスタッフだけではなく学生たちの国外避難もすぐにできます。
日本の外務省が発表している危険情報ではタラス州は「レベル1」で十分に注意するレベルです。これはインドネシアやバングラデシュと同じ危険レベルです